理論社から3冊目の本が出ました。
前作のあいうえおシリーズは、言葉のリズムが様々な変化を生む、奇想天外な面白さ。
今作は同じ言葉でも、日常的に交わされる会話のリズムが生み出す、柔らかい面白さ。
そして、不思議な偶然か、前作、今作とも『たこやき』がキーワードになりました。

文章から絵を描くにあたって、
村上さん、編集の関谷さんと近くの商店街を巡ったのがとてもよかったです。
定食屋、八百屋、魚屋、神社に美容室。
ちょっとした会話や情景のどの部分にリアリティを感じるかを一つ一つ確かめながら歩きました。
関西と関東、場所は違っても流れる空気に共通点は沢山あり、とても参考になりました。

お話の中の幸福三丁目商店街には明確な時間の流れがあり、
人と人、物 と物の距離が近く、直接的な対話があります。
そういった街や人の情感を村上さんはほんわかと生き生きと描き出していて、
こんな街に住みたいなあと感じました。
子供から大人まで楽しめる一冊だと思います。

幸福三丁目商店街 たこやき探偵団あらわる
村上しいこ 作 センガジン 絵
理論社
d=名久井直子

村上しいこさんのHP
http://www.geocities.jp/m_shiiko/


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